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4-211

 ゲームオーバーになったのは俺のせいなのは、潔く認めるところである。


 俺が魅せプレイに(はし)らなければかの砲台エリアは突破できたかもしれないのだ、もっと突きつめて言えば、湊の言うようにゲームのクリアまで辿りつくことができたかもしれないのだ。


 しかし、少し反駁(はんばく)したい気持ちもいくばくかあった。


 後で思い返せばこの反駁こそが愚かな選択だったのだが、この時の俺にはそれがわからなかった。


(湊の言うことはわかる……)


 俺は、ぐっと拳を握りこんでいた。


(だが……だがっ、俺もゲーマーの端くれぇっ……!)


 と、俺は、心の中で叫んでいた。


 俺だってぬるシューターと言えども格ゲーマー、広い範疇(はんちゅう)で捉えればゲーマーである。


 そしてゲーマーである以上、魅せプレイにあこがれることに何の不自然があろうか、いやない。


 魅せプレイはゲーマーの矜持(きょうじ)である。


 それについては、反駁したかったのだ。


(……それとも、実際は、湊にいいところを見せたかっただけなんだろうか?)


 と、俺は、心中自己分析をしていた。


 ただ泣きそうになると言われると、俺も、困ってしまうところだ。


 ここで考えなしにイエスと頷いてしまうと、湊の気持ちを逆に高ぶらせてしまうだけかもしれない。


 俺は、やんわりと湊をなだめようと、控えめにイエスの逆の言葉を言おうとして、


「……ノ……」


 その時である。


 ずずいっと湊の顔が、俺のほうに迫ってきた。

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