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ゲームオーバーになったのは俺のせいなのは、潔く認めるところである。
俺が魅せプレイに奔らなければかの砲台エリアは突破できたかもしれないのだ、もっと突きつめて言えば、湊の言うようにゲームのクリアまで辿りつくことができたかもしれないのだ。
しかし、少し反駁したい気持ちもいくばくかあった。
後で思い返せばこの反駁こそが愚かな選択だったのだが、この時の俺にはそれがわからなかった。
(湊の言うことはわかる……)
俺は、ぐっと拳を握りこんでいた。
(だが……だがっ、俺もゲーマーの端くれぇっ……!)
と、俺は、心の中で叫んでいた。
俺だってぬるシューターと言えども格ゲーマー、広い範疇で捉えればゲーマーである。
そしてゲーマーである以上、魅せプレイにあこがれることに何の不自然があろうか、いやない。
魅せプレイはゲーマーの矜持である。
それについては、反駁したかったのだ。
(……それとも、実際は、湊にいいところを見せたかっただけなんだろうか?)
と、俺は、心中自己分析をしていた。
ただ泣きそうになると言われると、俺も、困ってしまうところだ。
ここで考えなしにイエスと頷いてしまうと、湊の気持ちを逆に高ぶらせてしまうだけかもしれない。
俺は、やんわりと湊をなだめようと、控えめにイエスの逆の言葉を言おうとして、
「……ノ……」
その時である。
ずずいっと湊の顔が、俺のほうに迫ってきた。





