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「ぎゃあああああああああああっ! す、すまんっ、湊……!」
「ぎゃあああああああああああっ! ふ、復活しても、スピードもオプションも足りないよっ、お兄ちゃん……!」
「ぎゃあああああああああああっ! ミ、ミサイルもランクが落ちているから、迎撃がままならんっ……!」
「ぎゃあああああああああああっ! お、墜ちる……また墜ちちゃう! また墜ちちゃうよぉっ……!」
「ぎゃあああああああああああっ! ざ、残機が……残機がもう……あかん!」
「ぎゃあああああああああああっ……!」「ぎゃあああああああああああっ……!」
叫びの応酬をしているのは、俺こと九重空と俺の妹こと九重湊である。
俺たちには、シンプルな真っ黒な背景に白い文字のゲームオーバーの画面が、無慈悲に突きつけられていた。
俺たちの手から、コントローラーが力なく畳にかたりと落ちた。
両者放心状態からの両者沈黙である。
「なに魅せプレイに奔っちゃてるの、お兄ちゃん……!」
と、湊が、そう言った。
非難ごうごうな調子である。
俺は、たじたじしながら、
「いや、格好いいかなと思って……」
と、言った。
「格好よくないよ……!」
湊は、絞り出すように言った。
「さっきの場所は、二人で役割分担するところだよね?」
「……うぐ」





