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以上のように、ツーマンセルは、非常に魅力的な戦術である。
しかし、光りあれば影あり、表あれば裏あり、メリットあればデメリットありである。
見方を変えれば、戦力二倍どころか二分の一すなわち半分にもなりかねない危険もあるのだ。
不本意にもまたうまく噛み合わずに、互いに足を引っ張ってしまう事態に陥ってしまうならば、目も当てらない。
どろぬまというものだ。
ツーマンセルは、この危険をもはらんでいることは忘れてはならない。
さきほどのSTGの二人同時プレイを、例に挙げてみよう。
ご承知のように、上下同時の砲台エリアについて、二人同時プレイだと画面上半分と画面下半分に役割分担が可能だ。
しかしながら、二人とも画面上半分の砲台に意識を集中してしまったとしたらどうだろう。
画面下半分の砲台からの弾によって、ゲームオーバーになってしまうかもしれないのだ。
ゲームをクリアするために、二人が連携した結果がこれでは、本末転倒だろう。
ちなみに、なぜこれほどまでに二人同時プレイの負の面を説明できるかというと、はっきりとした理由が存在する。
もうおわかりだろう、俺である。
俺が当事者なのである。
連携を魅せプレイにはしって砲台エリアでゲームオーバーになった原因を作った、俺である。
加えて言うと、一緒にプレイしていた相手に相当いやめちゃくちゃにたたかれた、俺である。
そう、あれは、ある真夏の夜の出来事だった。
暑苦しさにさいなまれながらも、麦茶で喉を潤しながら、和室でコントローラーを握る俺たちは、ゲームクリア目前だった。
そして、悲劇が俺たちを襲った。
「ぎゃあああああああああああっ! なにやってるの、お兄ちゃん……!」





