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第二ラウンド開始である。
「イフ」
俺は、呼びかけた。
「はいっ」
イフが、呼びかけに応じた。
冷静に客観的に見た場合、俺たちは、冒険者としては文字どおりのかけ出しレベルだ。
冒険者の実力と実績は、ギルド全体で公認されている測定魔方陣"六芒星測定"によって、十九の階級に分けられる。
俺の階級はEEEで、イフの階級はFFFである。
上から数えた場合、俺は十四番目の階級で、イフは十七番目の階級ということになる。
また、冒険者ギルドの受付嬢のマーシャルの評価通りなら、俺の実力ならばスライム五十匹までは何とかなるはずである。
そして、俺たちが対峙しているスライムたちはおおよそ五十匹、俺たちが敗北する要素はまずないと言っていい。
(よし……いける)
俺は、心中頷いた。
スライムと言えどされどスライムその数や五十匹あまり、油断は禁物である。
「単騎で突っ込むのは危険だからな」
と、俺は、語調を強めて言った。
「ご心配なく。そこまで、うぬぼれていません」
イフは、ふっと柔らかくほほ笑んだ。
「いい返事だ」
俺も、ふっと笑った。





