表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

411/4640

4-198

「……あ」


 着地した俺の背中を見ているであろうイフの小さな声が、聞こえた。


 声のトーンからして、少し呆然(ぼうぜん)としているようだった。


 やや右足を前方にして剣を振りぬいた姿勢のまま着地した俺である。


 スライムの包囲網は、じりじりとせばまってきている。


 すぐに第二ラウンドが始まるだろう。


(ぎゃあああああああああああああああああああああ……っ!)


 これは、俺の心の叫びである。


「……ふっ」


 小さく息をはいた俺は、ゆっくりと立ち上がった。


 それから、すくっと背を伸ばした。


 風が、俺のほほをなでた。


 一連の俺の所作は、まるで新品の靴を履いた時のようにぎこちなかった。


「……す、すっ……ごいっ!」


 と、我に返ったようなイフは、感嘆の声をあげていた。


 まるで、長編映画を観終わって余韻(よいん)に浸りながら映画館から出てきた人物のような満足げっぷりである。


(ぎゃあああああああああああああああああああああ……っ!)


 俺の心の叫びは、続いていた。


「そ、ソラっ! さすがです!」


 イフが、興奮気味に言った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
42bpk4s771sz1iupmgjda531438n_aix_5k_8c_2
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ