表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

41/4638

2-11

 人垣をかきわけると、その中心には、三人の男たちと一人の少女がいた。


 少女のほうは、小柄で俺よりも年下のように見えて、雰囲気的に女の子と言ったほうがしっくりくる。


 白銀の少し長めのボブカットの髪型が、目をひいた。


 一方の男たちは、見るからにガラが悪そうで、年齢は俺よりも少し上だろうか。


 独断や偏見がよくなりことは、重々わかっている。


 しかし、一見するからに、タチの悪いチンピラ三人が、いたいけな女の子を囲っているようにしか見えなかった。


「……かわいそうに」


 と、俺の横の女性が、気の毒そうに、言った。


「めちゃくちゃにされちまうぞ」


 と、別の中年の男性が、沈痛な面持ちで、言った。


「……」


 俺は、少女を見やった。


 女の子は、屈みこんだままで、(とう)で編んだと思われるバスケットが、石畳に転がっていた。


 (ひざ)()りむいた女の子を、チンピラたちは、にやにやしながら、見下ろしていた。


 バスケットの中身だろうか、青々とした草や花々が、打ち捨てられたように、散らばっていた。


(ひどいな)


 と、俺は、思った。


「あーあ、(いて)ぇな、おい」


 と、便宜上以下のように呼称するが、チンピラAが、たいして痛くもなさそうに、言った。


 女の子は、俯いたまま、声を発しなかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
42bpk4s771sz1iupmgjda531438n_aix_5k_8c_2
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ