表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

408/4644

4-195

 彫刻刀について言えば、指こそ切らなかったものの、机を大きく彫りこんでしまって先生に怒られた記憶がある。


 そう言えば、俺の友人で松本(まつもと)というやつは、わざわざ机に夜露四苦と彫りこんで先生に激怒されていたはずだ。


 別の俺の友人である山田も悪さをしたものだから、仲良く三人でそろって先生に怒られたはずである。




「ちょっと、九重(ここのえ)君、机を傷つけちゃ駄目だって言ったでしょう!」


「すみません……」


「まったく。それに、松本君! この、よる……ろ……よん……く? これ何なの? 机を傷つけちゃ駄目だって言ったでしょう!」


夜露四苦(ヨロシク)ぅ!」


「よろしく? 反省しているの?」


「……夜露四苦(ヨロシク)ぅ」


「……そんなにしょんぼりされてよろしくって言われてもね。まあ、わかったわ。反省しているのはわかった」


「……夜露四苦(ヨロシク)


「あと、山田君! この、くんかくんかすーはーすーはーしたいお? これ何なの? 先生、さっぱりわからないんだけど? 机を傷つけちゃ駄目だって言ったでしょう!」


「選ばれた者にしかわからない、上級言語ですが何か?」


「上級言語? ……国語と英語の成績、あんまりよくないよね?」


「わかりやすく言うと、圧迫されがちな心理的欲求を解放したという事実を如実(にょじつ)に表現した言い回しです」


「……くんかくんかすーはーすーはーしたいお……にそんな深い意味があるように思えないけれど……」


「先生にその言葉を言ってもらえただけで、光栄です」


「……何だかよくわからないけど、後で職員室ね?」




(……机に落書きはまずいよな)


 と、俺は、思い返していた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
42bpk4s771sz1iupmgjda531438n_aix_5k_8c_2
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ