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もう、光りは、消えていた。
俺は、狐につままれたような感じになって、
(見間違い、だったのか……?)
と、思った。
正直一瞬のことだったので、自信はなかった。
「……っ」
俺は、くらりと身体の揺れを感じた。
プチ飛翔とは言ってみたが、ありていに言ってしまえば、跳躍である。
俺の目の前で、下から上へ流れていった。
滞空している俺の身体は、下降しはじめていた。
俺は、空中で体勢を立て直しながら、
「ここからはっ……!」
俺は、スライムたちに向かって落ちていきながら、再び能力を発動させていた。
"入力実装"の緑のモノクロームの視界が、俺を包み込んだ。
「コマンドを……引き寄せるっ!」
俺は、強く技をイメージした。
閃光が奔って、頭の中で文字列が閃いていた。
6+小K。
これは、鋭い回し蹴りのコマンドである。
この技は、コマンドの入力が簡素だ。





