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2-10

 俺は、街を歩いていた。


 このヴィセントは、石畳が美しい街で、舗装されたアスファルトの道路を見慣れていた俺にとっては、新鮮そのものだ。


 街には、木の骨組みで作られた色彩豊かな家々が、建ち並んでいる。


 街のほぼ中央をつっきって流れている運河も、特徴的だ。


 俺が今歩いている場所は、市街地で、まるでメルヘンチックな絵本に出てきそうなカラフルな家屋が建ち並ぶ地域である。


 現地の人向けと観光客向けの道具屋や武器屋や雑貨店やカフェやレストランなども多く、買い物や食事にも便利そうだ。


(さて……)


 武器屋の仕事には就けなかったので、いきなり出鼻をくじかれた形だ。 


 エクスカリパーのくだりがなければ、クビになるまでの時間は、もっと短くなっていたに違いない。


 恐ろしい話である。


(って言うか、あの親父さん、どれだけ、エクスカリパー推しなんだ……)


 と、俺は、思った。


 今は、体感的には、お昼の十二時ぐらいだろうか。


 街の道行く人々を眺めながら、俺は、


「次の手を、考えないとな」


 宿屋の銀月亭(ぎんつきてい)の主人とアカリは、心配してくれていたが、今夜は、銀月亭に甘えるわけにはいかないだろう。


 学生服の内パケットに収まっているのは、100ネカのみだ。


 ストレートに言ってしまえば、100円である。


 100円だけを握りしめて、見知らぬ土地に佇む経験は、なかなかないのではないだろうか。


 その時、通りの一角が、急に騒がしくなっていた。

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