4-186
3Dゲームで言えば、人気アニメのロボットを操縦して戦う、2ON2(ツーオンツー)の対戦ゲームだ。
とても息の長い作品で、シリーズの歴史を紐解けば二十年くらいにはなる。
初期の作品には触れていないが、ネットにアップされている動画を見ていると、とても興味深かった。
このゲームでは、相方とのダブルロックオンなどの連携が重要である。
俗に言う十字砲火やL字砲火という位置取りだ。
これに加えて、いかに相手の頭上をとれるかで勝敗が決まることも少なくない。
銃口補正の関係で、下から上に向かって撃つよりも上から下に向かって撃つほうが精度が高くなるのだ。
また、プレイヤーの視点からすれば、上から下の場合は相手の姿を確認できるが下から上の場合は相手の姿がよく見えない
すなわち、相手に上をとられてしまうと、視界の悪い状態でかつ精度の高い射撃の餌食になってしまうという展開だ。
(ステップしてかわせばどうということはないんだが……当たりまくるんだよっ! あと、バズーカー垂れ流しは邪道!)
ゲーム画面が、頭の中をよぎった。
(……っ)
耳元で風がうなっていた。
ばさばさと髪が風にあおられていた。
空中にいて地上を見下ろすこの視点は、鳥にでもなった感じだ。
「……とらえた」
と、滞空している俺は、宙の三匹のスライムを見下ろす形で、言った。
俺は、スライムたちに対して非常に有利な位置をキープしたわけだ。
ただし、である。
俺が、この行動をとったことには、もう一つの意図があった。





