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ゲイナーは、ふと思い出したように、
「ああ。ありました」
と、頷いた。
「なんでも、首輪だけは返してもらいたいと言っていましたね」
そうして、
「……」
と、いつもの澄ました面持ちのラテュレとちらと目が合った。
ラテュレはわずかばかり静かに肩をすくめて、
「なるほどね」
と、俺にだけ聞こえるような調子で言った。
合点がいった、というような表情のラテュレだ。
それから、
「短期的にはそちらのほうが値がつくわ」
と、こそと言ってきたラテュレである。
これに対して、
「そう……なのか?」
と、こそと聞き返した俺だった。
そのようにこそこそ話になる。
どうにも話が込み入ってきた。
だが、ラテュレにはおおよそのことの次第というか絵図が見えているようである。





