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自然、
「あ」
と、声をもらしたイフである。
イフも、すぐに得心したようだ。
ゲイナーは、手の平を広げつつ、
「"そちら"側のオークションにコネクションがないとか顔がきかないとか、そういう訳ありなんでしょう」
と、言って、
「べつに珍しくもない話ですよ」
ゲイナーの言葉を聞きながら、俺は、
(……もしくは、顔を出せない出したくない、という可能性もあるか)
と、考えていた。
べつに珍しくもないというから、こういったケースはそこそこあるのだろう。
なんだったら、往々(おうおう)にしてあるのかもしれない。
それに、そちら、というのは、言葉をぼかしてはいるが、闇取引の部類、闇オークションといったもののことを言っているのだろう。
闇取引。
闇取引は、公定値による正規の取引でなく不正に行う取引である。
交渉などを公然と行わずにこっそりすることも指したりする。
法律に触れていなくてもひそかに陰で行う取引とも言えるかもしれない。
密売とか密輸とか密貿易は、まさにこの類である。
ざっくり言ってしまえば、闇とかアンダーグラウンドで行われる取引である。





