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二度あることは三度あるとは、よく言われる。
これは、同じようなことが二度続けて起こった場合もう一度起こる可能性があるということだ。
今回のケースの場合は、一度あることは二度あるといったところだろうか。
そう心中皮肉でも言いたくなるほどに、シチュエーションが似通っている。
既視感、デジャヴである。
「ソラ……」
イフが、緊張した面持ちで俺に呼びかけた。
「これは、この前と……」
と、イフは、かすれた声で言った。
イフも、俺と考えていることは、同じなのかもしれなかった。
俺は、じりじりと迫りくるスライムの群れを見すえた。
「その話は、後回しだ」
と、俺は、言った。
既視感は気になるが、今はそれに拘泥している場合ではない。
「……まずは、この状況に対処するぞ」
俺は、言いきった。
「は、はいっ」
イフは、すくっと立ち上がった。
まずはこのスライムたちに包囲されている状況にどう対応するかだ。
考えている時間の余裕はあまりないだろう。





