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 それでも、九割がた、モンスターの気配をみじんも感じなかったことに違和感を覚えることは難しかった。


 それほどまでに、スライムの群れの出現は、唐突(とうとつ)すぎたのだ。


(いきなりふってわいたみたいだ)


 と、俺は、思った。


 これでは、まるで(たち)の悪いマジックショーである。


 マジシャンの帽子の中という何もない空間からハトが出てきたようなものだ。


(……いや、違うな)


 俺は、思い直した。


 本題は、そこではない。


 俺は、自身の頬を伝う嫌な汗を感じていた。


(これは……二度目だ)


 俺は、はっきりとそう意識していた。


 状況が、最初のクエストの時と酷似(こくじ)しているのである、似すぎていると言ってもいい。


 最初のクエストは、チニチニの花の調達クエストだった。


 ヴィセントの街から出て街道沿いに三キロメートルほどにある草原だ。


 あの時も、いきなりスライムの大群と遭遇(そうぐう)したのだ。


 イフの擬似魔法と俺の"入力実装(コマンドブースト)"でその場をしのいだ。


 たが、そもそもその場所は、スライムおよびゴブリンの生息地ではあるとされながらも、実際にはモンスターは滅多に出現しないエリアだったはずなのだ。


(似ている……)


 俺は、緊張でつばを飲み込んでいた。

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