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「……俺にできるのは、正直に話すことぐらいだ」
俺は、深呼吸して言った。
「そう……ですか」
イフの語気が、少し弱まった。
「本当に困った人ですね、ソラは……」
諦観色のイフの言葉には、どこか暖かみがあった。
「本当にすまなかった、イフ」
俺は、まっすぐにイフを見て言った。
「ソラ……」
イフが、まっすぐに俺を見て言った。
「俺が、イフのパン……」
「~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~っ!」」
顔を真っ赤にしたイフのトレードマークのサイドテールが、大きく揺れた。
イフが、何かを言おうとしたのか、大きく口を開いた。
その時だった。
不意に、辺りに妙なプレッシャーを感じた。
(……なんだ?)
と、俺は、思った。
風が、髪をなでた。
不穏なざわつきが、俺の頬をかずめていった。





