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 木を見て森を見ず、俺が見たのはイフの白いパンツの一部分であって全体を見たわけではない。


 そういった意味では、よくは見ていないという表現はあながち間違っていないだろう。


 しかし、あくまであながちなのである。


「……少しは、見たんですか?」


 と、イフが、聞いた。


 イフの瞳に、ごうっと黒い炎が宿ったように感じた。


「うっ……」


 すさまじい迫力で、俺はたじろいた。


(そうだ……)


 イフに言われて、俺は心中うなづいた。


 イフの指摘は、鋭くてかつ正しい。


 言いつくろったところでパンツを見た事実は事実であるし、とりつくろったところでパンツを見た過去は過去のままであるから、俺はパンツを見たことと向き合わなくてはならない。


「……その通りだ。見たことにはかわりはない」


 と、俺は、正直に言った。


 相手のなすがままに任せるより仕方ない状態、まな板の(こい)の状態である。


 俺は、座り込んでいるイフの見た。


 大きいくりっとした目と俺の目があった。


 さらさらと白銀の髪が揺れていた。


「……あきれるくらい、正直なんですね……」


 イフが、息を吐き出すように言った。

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