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(ああ……)


 俺は、心中ほっとしていた。


 木になっているデエカの実を採る時から、ヤバみたっぷりの一連の事態が続いていた。


 一連の事態は、二人で肩車での俺がイフのワンピースの中に頭を突っこんでいる、からの、倒れ込んでの俺がイフのワンピースの中に頭を突っこんでいる、である。


 起きてしまった出来事をなかったことにはできない。


 それでも、起きてしまった出来事に対して、何かすることはできるのではないかと思った。


 (てい)よく事態の収拾(しゅうしゅう)を図ろうという都合のいいことを言うつもりはない。


 それでも、この俺たちの気まずい雰囲気に、一筋の光明(こうみょう)が射し込んだように思えたのだ。


 しかし、それは、すぐにはかない夢だと思い知らされた。


 イフが、ぴたりと笑うのをやめたのである。


(なん……だと……)


 俺は、心中呻いた。


 予想外の展開に、とまどってしまった形だ。


 例えて言えば、ボーリングで、明らかにストライクだろうと思っていたのが、急にガーターになってしまったような形だ。


 別の例えで言えば、宿題で、最後のページかと思っていたのが、後さらに十ページもあったことに気づいてしまったような形だ。


 イフは、地面のデエカの葉に視線を落としたままで、


「……面白くないかもです……」


 と、さらっとどぎついことを言った。


「……え?」


 俺の声は、半ば凍りついていた。

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