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「お前、クビな」
クビとは、馘首のことだ。
ギネス記録に申請したくなるような、光の速さで、俺は、武器屋の仕事をクビになった。
以下、その経緯である。
「ここだな」
俺は、武器屋の前に、立っていた。
サングラスをかけたウサギが刀を構えているという、インパクトは抜群なものの若干シュールなモチーフの看板が目立つ、武器屋だ。
ちょうど開店の準備をしているようだ。
俺は、緊張しながら、一歩進んだ。
「ごめんください」
と、俺は、言って、店の中に入ると、髭面の強面の親父が、ぎょろりとした目で、俺を見た。
「何だ、お前は。まだ、開店準備中だぞ。何か欲しいなら、もうちょっと待っとけ」
声も、渋いのだが、威圧的である。
「買物ではないんです。俺は、こういう者です」
「あ?」
俺は、武器屋の親父に、宿屋の銀月亭の主人からの紹介状を、手渡した。
武器屋の親父は、ぶっきらぼうな調子で、文面を見ていたが、読み終わると、俺に向き直って、
「なるほどな。うちで働きたいってか」
「はい。お願いします」
と、俺は、丁寧に、言った。





