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「大将! マグロお願いします」


「はいよ。マグロね」


 ちゃっちゃっちゃ(寿司を握る音)。


「お待ち」


 もぐもぐ(お客であるイフが、マグロの寿司をほおばる)。


「うんっ。おいしいっ!」


「あたぼうよ」


「ほどよく(あぶら)がのっていますね。これは……」


「さすがだな。今日のマグロは、ただのマグロじゃあない、特製よ。一大(いちだい)チェーン店で有名な『すしたっぷり』の社長が、それはもうすさまじい値で()り落としたやつを、少し譲ってもらったのよ!」


 ばーん(大将である俺が、両手を大きく広げる)。


「どうりで!」


 ばーん(お客であるイフも、両手を大きく広げる)。


「大将! エンガワとウニお願いします」


「はいよ。エンガワとウニね」


 ちゃっちゃっちゃ(寿司を握る音)。 


「お待ち」


 もぐもぐ(お客であるイフが、エンガワとウニの寿司をほおばる)。


「おいしいです!」


 きらきら(お客であるイフが、満面の笑みを浮かべる)。


「あたぼうよ!」

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