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(俺たちが小説上の人物だって……?)
俺は、逡巡した。
ネタを振ってくるにしても、そのネタが斜め上すぎではないだろうか。
例えて言えば、俺が寿司職人だったとしよう、そしてイフがお客だったとしよう。
ぱささっ(のれんをくぐる音)。
からから(入り口が開く音)。
「らっしゃい!」
とさ(入り口を入って左側のカウンター席に腰かける音)
「ココノエ鮨、いつ来ても繁盛していますね」
「おかげさまで」
「大将の腕がいいからでしょう」
「そりゃどうも。あつしぼ、どうぞ」
「ありがとうございます」
ふきふき(温かいおしぼりであるあつしぼで手を拭く音)。
「外は寒かったです」
「だよな。顔はごしごししなくていいの?」
「おじさんっぽいので却下です」
「今日は何からいくのかな?」
「今日はお腹すかせてきました」
うーん(ガラスケースの中のネタとにらみっこ状態のイフ)。





