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「……おねが……い……します」
イフの声は、切なげだった。
「口……動かさ……ないで……私の……こす……」
(ぎゃああああああああああああああああああああああああああああっ!)
イフの言葉をかき消さんと、俺は心中叫んでいた。
それがかえって悪かったようである。
俺の身体が、自身の動揺によって大きく動いてしまったのだ。
当然、俺の動きは、イフにも伝わった。
俺の顔面に、馬乗り状態のイフの下着やお腹の下のほうの部分が大きくめりこんだ。
「~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~っ!」
声にならない声をあげて、イフが慌ててがばっと飛びのいていた。
イフは、そのままちょっこんと内股に座りこんだ。
「……や、や……ふ……え……っ……!」
イフが、顔を真っ赤にしていた。
小さな唇は、逆U字にむすばれていた。
その瞳には、恥ずかしさからか、うっすらと涙も浮かんでいた。
「……ふ……ぇ……」
イフの小柄な身体が、ふるふると震えていた。
イフは、胸元を隠すかのように、両手をクロスさせて自身の二の腕あたりをつかんでいた。
そして恨めしそうに俺を一瞥してからの急転、今度はすっかりうつむいてそれっきりである。





