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(……とにかくっ!)
この状況は可及的速やかに打破されるべきである、アズ・スーン・アズ・ポッシブルである。
だいぶ息苦しかった。
俺の鼻と口が、ちょうどイフの下着の真ん中あたりに触れているからだ。
俺は身動きがとれないから、イフにどいてもらう必要がある。
「……ふまん。わばとじゃなひ……」
俺の弁明の言葉は、口が半ばふさがれている恰好だから、微妙に不鮮明になっていた。
「……っ!」
俺の声に反応して、イフの小さな身体がびくんっと震えた。
もはやお互いの一挙手一投足にどぎまぎしすぎて、心臓に悪すぎだ。
「……どひて、もら……へるか……?」
俺は、もがもがしながら言った。
またもやイフの身体がぴくっと動いて、俺の頭をおおっているワンピースがふわっと揺れた。
「……ひっ……ぅ……」
泣き出しそうなイフの声は、途切れ途切れだった。
「……い……ふ?」
「ソラの……息……当たって……ひ……ぁ……」
イフの声が、吐息まじりになっていた。
「……ふっ……ふまん……!」
不幸な事故が、重なりすぎているようである。





