348/4638
4-135 ※挿絵ありです
「ど、どうしたっ?」
俺が、慌てて聞いた。
イフは、明らかにテンパっていた。
そして、俺の声も、大概テンパっている始末だ。
この状況下では、お互いに無理のない話ではある。
テンパりーズという即席のコンビを組めそうなほどに、俺たちは今まさにテンパっていた。
「ソ、ソラが動くから……ひゃう! う、動かないでくださいっ」
すっすっと下着がこすれる音が、俺の耳元で響いた。
衣擦れの音など普段は意識したこともなかったが、只今は意識しないというのは不可能だ。
「わ、わかった……! イフも、そんなに動かないでくれ……体勢を保てなくなる」
と、俺は、言った。
イフがわちゃわちゃ動くものだから、イフの太ももが俺の頬を前後左右にこすっていた。
再び、肩車の体勢がぐらついた。
「ひゃぅ……っ!」「……ぅおっ!」
イフの柔らかい肌のというか太ももの質感が、ダイレクトに伝わってくる。
「そんなこと……言われても………っ!」
イフの声は、上ずっていた。
「イフ」
俺は、一言だけ静かに言った。
この呼びかけが功を奏したのか、イフの動きが少しだけ大人しくなった。





