342/4638
4-129
「……その、肩車してくれると、ソラの手が私の足に……その触れるわけで……」
イフの言葉が終わらないうちに、俺は、
「大丈夫だ」
俺は、イフの足に触れて、そのままゆっくりと肩車をした。
「……ひゃうっ!」
ふわっと自身の身体が浮いた恰好になったイフが、声をあげた。
「いいから、心配いらない」
「……」
俺の手の平に、イフの柔らかい肌の感触と体温が伝わってきていた。
「……ソラは、強引です」
俺の後頭部の上から、少し恨めしげなイフの声が聞こえた。
肩車をしているから、イフの表情は見えない。
「でも……嫌いじゃないです」
「……けなすのか誉めるのか、どっちかにしてくれ」
と、俺が、言った。
俺は、イフの足をしっかりと固定した。
「ひゃう……っ!」
「さっさとやるぞ」
「そ、そうですねっ」
イフは、ぐっと手を伸ばした。





