341/4638
4-128
「……」
とまどっているようなイフの無言の呼吸を、背中に感じた。
(……ん?)
俺が振り向くと、イフは膝頭をちょこんと合わせながら両手で白いワンピースの裾をきゅっと握っていた。
少し震えながら、もじもじしているのである。
「あの……」
イフが、上目遣いに俺を見た。
「どうした?」
と、俺が、聞いた。
「……肩車、少し恥ずかしいかも……です」
と、イフはおずおずとした声で言った。
「自分から言い出しておいてっ?」
「……ばり恥ずかしかもんっ!」
イフは、両目を閉じながら頬を紅潮させながら言った。
俺のいた世界の明太子やとんこつラーメンで有名な地域の方言になっているイフである。
唇を軽く結んでいるイフを見て、俺は、内心苦笑しながら、
(……たく)
俺は、肩をすくめて、
「恥ずかしいことなんかないだろ?」
と、イフを落ち着かせるように静かに語りかけるように言った。





