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4-119

 俺たちは、黙々(もくもく)と作業に没頭した。


「……」「……」


 二人とも無言で(かが)みながら、デエカの実を拾い集めていた。


 淡々とした作業である。


「……」「……る~るるる~」


 地道な作業である。


「……」「……る~るるる~るるるるる~る~」


 拾っては少し移動しまた拾っては少し移動しの繰り返しである。


「……」「……る~るるる~る~」


 イフは、ちらっと俺のほうを見ながら、


「……ソラ」


「少し歌うくらい別にいいだろう? ……る~るるる~……」


「……いえ、もう少し歌上手だといいですね……」


 イフの遠慮がちな上目遣いに、俺は、反駁(はんばく)して、


「……ほっとけ! ……る~るるる~……」


 二人とも(かが)みながら、デエカの実を拾い集め続けた。

 

「……しかたがないですね……るるる~」「……る~るるる~」


 やはり地道な作業である、拾っては少し移動しまた拾っては少し移動しの繰り返しだ。


「……る~るるる~るるるるる~る~」「……る~るるる~るるるるる~る~」


 いつのまにか二人で歌っている曲は某長寿番組のオープニングテーマである、名曲だ。

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