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「ボリノア博士が見つけたというのはわかるでしょう?」


 と、イフが、聞いた。


 イフの言っている部分は理解できる、言っている部分は理解はできるが、俺は、


「どのへんがハイパーでマックスとかさっ、気になるからっ!」


 と、声をあげていた。


 イフは、なにくわぬ顔で、


「とにかくすごいよという意味じゃないんですか。ありていに言って、ぶっちゃけあまり意味はないんじゃないですか?」


「ぶっちゃけすぎっ!」


「博士の著書にには、こうあります。薬草づくりの大家でもありますから、私も読んでいるんです」


「学術書……ってやつか?」


 と、俺は、聞いた。


 俺のいた世界の本屋の片隅や図書館の一角の難しそうな本のコーナーに置いてあるような本なのだろうか。


「はい。学術書です。全部で六百ページほどあります。タイトルは、『私が晴れの日に散歩と研究を兼ねて諸国を渡り歩いて色々な植物を発見して色々な生態や効能を発見して驚いてハッピーになった件』です」


「ながっ! 学術本というよりもノベルっぽいぞっ! ボリノア博士、ぎゃくにどんな人物なのかきになりはじめたぞっ」


「話がそれましたが、博士の著書には、こうあります。『ある日きらきらと光るデエカの実をみつけたものだから色々試してみたら色々なことがわかったので私はこれをハイパー・プレミア・マックス・レア・ゴールデン・チアフル・ボリノア・・スペシャル・デエカ・フルーツと名付けることにした』……」


「予想はしていてけれども、何一つ伝わってこないけれどもなっ!」


 イフは、やれやれと両方の手のひらを見せて、肩をすくめた。


「博士の著書も引用して説明したんです。まだ何か足りませんか?」


 イフは、少し不満そうである。


「足りなすぎだと思うぞっ」

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