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(とにかく)


 と、俺は、内心気合を入れた。


 イフが、これだけやる気まんまんモードなのだ。


 俺も、遅れを取るわけにはいくまい。


「そうだな」


 イフのうんっというガッツポーズに合わせるように、俺もうむというサムズアップをした。


「やるか」


 俺たちは、頷きあった。


 デエカの木の生態については、事前に、冒険者ギルドの受付のマーシャルから聞いていた。


 デエカは、落葉高木(らくようこうぼく)である。


 落葉は、ある季節に定期的に葉を落とす植物の性質のことだ。


 今目の前に広がっている葉が地面いっぱいに広がっている光景が、示す通りである。


 デエカの花は、風媒花(ふうばいか)で、花弁は目立たなく小さい。


 風媒花は、文字通り、花粉を()しべまで運ぶための運送方法が風に運ばせることつまり風媒(ふうばい)である花のことだ。


 デエカの実は、片翼の翼果(よくか)が二つずつ種子側で密着した姿でつく。


 翼果は、果皮の一部が平らな翼状に発達した果実のことだ。


 デエカの実は、薄茶がかっている。


 また、実が脱落するときには、空気の抵抗を受けて回転することで滞空時間を稼いで、風に運ばれやすくなっている。


 森の構造も手伝ってか、そのあたりの詳しいことはわかならないが、このネムリアの森のデエカに限っては、比較的遠くまで実が飛ばず、採集が容易なのが特徴らしい。


 たしかにあかね色のデエカの葉の絨毯の中に、ちらちらとデエカの実が散在しているのが見てとれた。

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