324/4638
4-111
イフは、くるりと振り向いた。
白銀の髪に透き通るような白い肌に白のワンピースは、雪の白さを連想させた。
「私がソラにパートナーになってもらおうと思ったのは、当たり前のことです」
と、イフは、言った。
風が、イフの白いワンピースを揺らした。
森の中を流れる冷たい空気を感じた。
静謐な空気である。
「私は、私の想いを信じています」
イフは、俺をまっすぐに見た。
にっこりとほほ笑んだイフは、
「ソラは私の道しるべになってくれる存在だと、私は、信じているんです。ただそれだけです」
ストレートな答えだった。
「……そっか」
まっすぐなイフのまなざしの前に、俺は、そう短く答えていた。
木漏れ日が、うっすらと射し込んできていた。
俺は、イフのまなざしからを目を逸らさずに、
(そう、だな)
と、自身に言い聞かせた。
(今は……)
今に打ち込むことにしようと、そう思った。





