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「え……?」


 イフの白銀の髪が、揺れた。


「パーティーだよ」


 俺は、短く言った。


 イフは、一呼吸おいてから、


「……ソラが、パーティーのパートナーだということですか?」


 と、聞いた。


 森の木々の葉が、さわさわと音を立てていた。


「ああ」


 俺は、ゆっくりと頷いた。


「イフは、すごい努力家の錬金術師だよ。きっとその気になれば、もっとすごい冒険者とだって組めるだろう?」


 何で俺なんだとは聞いたが、別に自虐的(じぎゃくてき)になってそう聞いたわけではない。




『私のパートナーになってください』




 二日前のイフの言葉を、思い出した。


 緊張はしているし遠慮もしているものの、退くつもりはないという不退転(ふたいてん)の強い意志が、イフの瞳には宿っていた。


 イフの提案は、俺にとってはまさに乗りかかった船あるいは千載一遇(せんざいいちぐう)の好機かもしれないと感じた。


 冒険者になれば、俺の目的である魔王ディストピア討伐に少しは近づくような気がした。


 寄る()があるのなら、しがみついて一歩でも二歩でも前進すべきだ。


 断る理由も、躊躇(ちゅうちょ)する理由もなかった。


 俺は、俺の意思(いし)でイフとパーティーを組んでいる。

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