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「おはよう。ソラ君。朝早いんだ、感心感心」
「おはよう、アカリさん」
と、俺も、挨拶をした。
アカリには、昨晩のうちに、俺の名前を教えていたのだが、九重空という苗字名前のフレーズは、この異世界の人間であるアカリにとっては、感性的に慣れなかったようで、ソラと呼ばれることになった。
アカリは、タオルを洗濯籠に入れながら、むくれたような顔をしていた。
(何か地雷でも踏んだのか?)
と、俺は、思ったが、特に心当たりはなかった。
「昨日の話だと、ソラ君と私って、ほとんど年は離れていないよね?」
「まあ、そうだね」
「だったら、お互い、堅苦しいのはなしにしようよ。私のことは、さん付けはしないでくれたほうが、嬉しいかな」
俺のことを君付けで呼ぶアカリのことを、俺がさん付けしなくていいのだろうかと思ったが、本人がそう言うのなら、俺も、断る理由もないので、
「じゃあ、アカリ」
「わっ……」
アカリは、何故か顔を赤らめた。
「昨日は、どうもありがとう。本当に、助かった」
俺は、改めて、礼を言った。
「いきなり呼び捨てにされると、テレちゃうな……」
「アカリが、呼び捨てでいいって、言っただろう」
アカリは、少し俯いて、ところどころ言葉を区切りながら、ぎこちない調子で、
「えと……確かにそう言ったけど、ためらいもなく言われると、とまどうよ。ソラ君、迷わないし、ブレないし、結構モテ男君だね……?」





