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イフは、じっと目をこらすようなしぐさをしてから、
「そんな中途半端にしか誉められないソラは、何かこうとにかくだめだめです」
何ともふわっとしたイフのダメ出しである。
「それは、落とし方が雑っ!」
曖昧模糊なイフの指摘に、俺は、思わずツッコんでいた。
「雑……でしたか」
と、イフは、つぶやくように言った。
イフは、反省の面持ちで真剣な表情になって、少し考えてから、
「そんな適当な持ち上げかたしかできないソラは、もう終わっていますね」
「何でそんなに振り幅があるのかなぁっ! 何でさっきよりひどい言いっぷりなのっ?」
最初の評価が雑という表現だったのに次の表現は終わっているとは、すさまじい振り切れかたである。
磁石のS極から百八十度転進してN極に突撃という振り切れかただ。
ノリの急発進、アクセルいきなり全開、カレーの甘口から唐突に超激辛にトライするようなものだ。
言いかたは静かなものの、キレっキレっのイフである。
「振り幅……ですか」
と、イフは、静かに言った。
イフは、反省の面持ちで真剣な表情になって、また少し考えてから、
「男として終わっていますね」
「何でそんなに振り幅ってるのかなぁっ! それと男の自信にかかわるからねその言いかたっ!」
俺は、叫ぶように言った。





