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魔法瓶作りと薬草作りは、よく似ているようだ。
薬草作りも、見方によっては、錬金術の延長上に位置するとのことだ。
このへんも、俺が知っているゲーム上の知識とかぶっている。
魔法瓶も、薬草作りと同じように、いろいろな工程を経て、作っているもとい調合しているらしい。
材料を乳鉢の中に入れて乳棒ですり潰したり細かく切ったり加工して混ぜ合わせたり、煮沸したり冷却したりである。
イフの話の途中で、学校で習った理科の化学や生物とか数学の方程式などの応用とおぼしき内容も出てきた。
しかし、俺には、ミリほどしか理解できなかった。
「さすが錬金術師……すごいな……」
と、俺は、うなるように言った。
俺の素直な感想である。
イフは、すっとうつむいた。
「それは、誉めてくれているんですか?」
と、イフが、か細い声で聞いた。
「無論だ。大いに感心している」
俺は、うむと大きく頷いた。
たらればの話だが、仮に学校の定期テストを一緒に受けたとしたら、イフに勝てる気がしなかった。
「……せっかくソラが誉めてくれたのに、もっとちゃんと誉めてもらいたいのに……」
イフが小さな声でごにょごにょと言っていたのだが、俺は、それを聞き取れなかった。
「すまん。聞こえなかった。どうかしたのか?」
と、俺が、聞いた。





