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 栄養ドリンク剤と言えば、定期テスト前の追い込み時にお世話になったものだ。


 午前二時くらいまで暗記の詰め込みなどを(おこな)った経験のある諸兄姉(しょけいし)も、少なくないのではないだろうか。


 そこまで頑張るとなると、俺は、コーヒーもいいのだが、栄養ドリンク剤がよりいいのである。


 あまり効かないのではないかと言う友人もいたが、気持ちの観点でみることが肝心(かんじん)だ。


 俺の場合、何となく元気になった気になって、勉強でのラストスパートがきくのである。


 一夜漬(いちやづ)けをしないように日々の勉学に励むべしという意見はもっともであるが、それについて言及(げんきゅう)するのは今は差し控えたい。


 栄養ドリンク剤のCM(シーエム)もよく見たものだ。


 たいていのCM(シーエム)は、いい意味で暑苦しい肉体派の俳優が、かっと気合(きあい)を入れたりばんっとスポーツをしたりして、どんっとエネルギッシュな印象である。


(勢いがはんぱないからな)


 かっばんっどんっの勢いで、購買意欲をそそられるのだ。


 女優やアイドルを起用している栄養ドリンク剤のCM(シーエム)は少ないような気がする。


 やはり、爽やかさや可愛さが前面に出てしまうからだろうか。


 暑苦しさと気合は何となくリンクするが、爽やかさや可愛さは気合とはリンクしにくいような気もする。


(うーむ。栄養ドリンク剤、奥が深いな……)


 俺は、心中うんうんと頷いた。


「どうかしましたか? この魔法瓶について何かありますか?」


 と、イフが、聞いた。


 俺は、両手を腰に当てて胸をそらしながら、


「いや。それを飲んで、ロッククライミングで断崖絶壁を登ったりカヤックで滝下りをしたりして、気合を入れて叫びたくなっただけだ」


 と、言った。

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