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「火には水だよな」
と、俺が言うのに合わせるように、イフはこくりと頷いて、
「ですね」
火属性のモンスターなら炎への耐性がありそうだし、そうであれば、火属性の魔法も効かないだろう。
逆に、火属性ゆえの水属性が弱点となれば、水属性の魔法が有効だろう。
この異世界に存在する魔法と疑似魔法はニアリィイコールで捉えて構わないだろう。
ほぼ一緒かもしくは共通点が多いというわけだ。
そうだとするならば、この異世界に存在する疑似魔法ないし魔法の概念は、俺の剣と魔法のRPGのゲームの知識とかぶってくるところだ。
このかぶりは大助かりだ。
既知の知識を、そのまま流用できるからである。
モンスターと戦う時にも、役立ちそうだ。
「こっちは、"小さな緑"、風属性の攻撃魔法の疑似魔法です」
と、イフは、淡い緑色の液体が入っている瓶を持ちながら、言った。
(風属性、か)
風を巻き超すような攻撃魔法だろうか、そんな漠然とした想像をした。
「それと、これは、"小さな恵み(リトル・キュア)"、回復魔法の疑似魔法です。軽度の傷や毒の対処に使用します」
と、イフは今度は、黄色の液体の入った瓶を俺に見せた。
(回復アイテム的なものか)
と、俺は、思った。
色合いで言えば、まさに俺のいた世界の栄養ドリンク剤とシンパシーを感じる。





