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4-94

 調達クエストの目的地であるネムリアの森には、たどり着いたのだ。

 

 目的地に着いたからには早速調達エリアで調達を開始するのが、肝要(かんよう)である。


「調達対象は、デエカの実だったよな?」


 と、俺は、聞いた。


「はい。この入口から少し進んでいくと、デエカの木々が密集している場所が、あるようです」


 クエストの詳細が書かれた紙片を見ながら、イフが、言った。


「よし。デエカの木が自生しているところまで行こう」


 俺は、採集用の大きなバスケットを背負いなおした。


 今回のクエストでは、この大きめのバスケット一籠(ひとかご)いっぱいのデエカの実を持ち帰ることが、達成条件である。


「はい」


 イフも、頷いた。


 俺たちは、森の中へと進んでいった。


 俺とイフの二回目のクエストの舞台は、ヴィセントの街から五ロキルトーメ、すなわち五キロメートルほど離れた、ネムリアの森だ。


 森に入って感じたのは、予想以上に暗いということだ。


 日中にもかかわらず、冬の夕方のような薄暗さである。


 聞くところによると、狩人など特殊な者を除いては、人が立ち入ることはほとんどないらしい。


 一言で言えば、うっそうとした森である。


 公園の中にあるような小規模の森とは違っていた。


 当たり前だが、地面は、公園のように歩くことを前提としてはいない。


 人工的にならされた地面ではないのだ。

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