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4-92

 俺は、オーバーアクションで宣言するように言った。


「あの……それは、さっき聞きました」


 イフが、控えめに手を挙げながら言いにくそうに言った。


(ええいっ……! このまま押しきるのみ!)


 と、俺は、心中自身を(ふる)い立たせた。


「クエストはっ……これからだっ!」


 右手の(こぶし)をぐっと握りこんだ俺である。


「えと……たしかに調達クエスト自体はこれからですね……」


 イフが、きっとわけもわからないのだろうが、一生懸命に合いの手を出してきた。


(よし……このままっ!)


 と、俺は、心中さらに自身を奮い立たせた。


「先生の次回作にっ……ご期待くださいっ!」


 右手に加えて、左手の(こぶし)をぐっと握りこんだ俺である。


「そこの詠唱(えいしょう)……なんでしょうか? ……よくわからないんです」


 イフは、真面目に答えてくれていた。


 わかるわけはない、俺もわからない、そもそもイフが考えているようなまじないや詠唱の(たぐい)ではないのだから、当然だ。


「次回作にっ……ご期待くださいっ!」


 俺は、大見得(おおみえ)をきった。


「えと……ご、ご期待くださいっ!」


 きっとわけもわからないにちがいない、それでも、イフは、俺と同じポージングを決めた。

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