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いつの間にか俺の目の前には、異国の風を感じさせる一人の女性が立っていた。
女性と言っても俺よりも年下のようにも見えるし、どことなくあどけなさも残っている表情からすれば、少女という表現のほうがしっくりとくる。
少女は、大きいくりくりとした澄んだ瞳と腰までかかるライトブルーのロングヘアが、印象的だった。
(……可愛い)
俺は、自然と息をのんでそう思っていた。
間違いなく掛け値なしの美少女で、ミス何某などの美少女コンテストやグランプリに出場していてもおかしくない容姿だ。
俺は、見とれてしまっていた。
少女は、ほほ笑みながら、澄んだ声で言った。
「はじめまして。九重空さん」
「……はじめまして」
俺は、とまどいながらも、少女の挨拶につられるように言った。
少女は、青色のローブを揺らしながら、
「私は、エストと申します。女神です」
と、少女は、恭しく名乗った。
綺麗な少女の瞳から、俺は目を逸らすことができなかった。
この少女は、エストいう名前らしい。
そこまではわかる。
西洋風の顔立ちにその名前は似つかわしくも思えたし、これで花子とか名乗られたならば、かえって俺はとまどっていただろう。
しかし、少女の後半の台詞に、俺は大いにとまどった。
女神だって?





