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4-84

 武器屋の親父と話したおかげで、セドリグ・ノーハンのことやノーハン商会のこともよくわかったし、イフやリリーカルナ商会のこともよくわかった。


 だがしかしである。


 俺と武器屋の親父のやり取りが、長らく続いたわけである。


 言ってみれば、野郎(やろう)同士の淡々(たんたん)とした会話である。


 これが、ゲームやアニメであれば、未曾有(みぞう)のイレギュラーな事態ではないだろうか。


 もう少し具体的に示してみる。


 俺がいた世界での友人に、山田というやつがいた。


 定期テストでは必ず学年で十位以内という秀才だ。


 フルネームは、山田山根(やまだやまね)、比較的覚えやすい名前である。


「○○たそ、()え~」


「○○は、俺の嫁」


 山田の言葉で一番よく聞いたフレーズである。


 ○○の部分には、女の子の名前すなはち山田がプレイしていた美少女ゲームのヒロインの名前が入るのだが、二・三ヶ月ごとに変わっていた。


 そんなにころころと○○の部分が変わるのは移り()が過ぎるのではないかと聞いたことがある。


 返ってきた答えは、変わるのは美少女ゲーマーの宿命だということだった。


「お前に、○○タンから○○たそに嫁を変えなきゃいけない苦しみがわかるのかっ?」


「……お、おう……」


「推しのヒロインを一人も挙げられないお前は、もうその時点で終わってんだよ!」


「……お、おう……」


 そんな会話をしたのを覚えている。

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