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俺は、思わずツッコんでいた。
「驚きです……かがり火や薪よりもマッチのほうがいいんですね?」
と、イフが、言った。
「……そんなことは言っていないのに、そう解釈されるのが驚きだよっ?」
と、俺が、言った。
「行間を読むことが大切だと習いました」
イフが言っていることは、間違っていない。
行間を読むとは、文字では書かれていない部分や言葉では言い表されていない部分を汲み取ることをいう。
相手の言い方や顔つきから、相手の本当の気持ちや意図を読み取るのである。
「うん。確かに行間を読むのは大切だがな。肝心な読み方が、ぶっ飛んでいるような気がするぞっ?」
と、俺は諭すように言った。
「かがり火もだめ、薪もだめ、マッチもだめ、だめだめ尽くしじゃないですか。ソラは、わがままです」
イフは、かじかんだ唇を必死に動かして言った。
「いや。かがり火とか薪とかマッチとか、それについては、俺はそもそもいいとか悪いとかすら言っていないからな?」
俺も、寒さで遠のいていく意識の中、反駁した。
寒さのせいだろう、二人の会話は噛み合っていない、会話のドッジボール状態になりつつあった。
「ソラの考えはよくわかりました。もういいです」
まるで、三下り半を突きつけるぐらいの勢いである。
「何で怒られているふうなのっ?」
俺は、目を丸くしていた。





