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「……寒いです、ソラ」
イフの目が、まったく活き活きとしていなかった。
指摘されて、俺は、自身の言葉の中のダジャレに気づいた。
（はっ……！）
衝撃が、俺を包み込んだ。
漫画ふうに言えば、「！？」が俺の顔の右斜め上あたりに表示されるほどの状態である。
ちなみに、「！？」が絶妙なタイミングで使われる、不良漫画の金字塔といわれる週刊連載がかつてあったのだが、全巻読破したものだ。
（地理……ばっちり……！ 何て……ことだっ！）
と、俺は、内心呻くように叫んでいた。
俺は、愕然とした。
「わざとじゃないぞ……？」
俺は、そんな慎重な言いかたをした。
ボケもツッコミも流れも何もない中で、ストレートにダジャレに走ったとなれば、ことである。
「……そういうことにしておきましょう」
イフも、慎重な言いかたをした。
「思いきり信じていないだろう？」
「……偶然、たまたま、ということですか？」
イフが、助け船を出すように聞いた。
俺は、ここぞとばかりに、
「そう。言わば、偶然の産物。ばっちりとばっちりだぞ」
