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お見合い状態を終わりにしたのは、年長者のマーシャルだった。
「このへんにしておきましょう。あまりからかいすぎてもよくないでしょうから」
と、マーシャルが、柔らかくほほ笑みながら言った。
「……からかってたんですか?」
俺は、拍子抜けしたように聞いた。
「あら。年下をからかうのは、年上の特権ですよ?」
マーシャルは、お姉さん風をふかせるように言った。
「そんな特権、あるんですかね」
「それがあるんですよ」
優しい声で言ったマーシャルの言葉には、妙な説得力があった。
(……困った一騒動だったな)
と、俺は、内心苦笑していた。
マーシャルは、俺に耳打ちするように、
「じゃあ、最後にあれ……やってくださいよ」
と、言った。
「……何ですか?」
再び嫌な予感がしていた。
マーシャルは、期待に満ちた目をしていた。
「エクスカリパー……ッ! ……っていうやつです」
武器屋の親父のエア剣戟は、意外と有名のようである。





