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「ごめんね。お父さん、ちょっと、強引なところがあるから」
と、アカリは、困ったように、笑って、言った。
「そんなことないよ。俺のほうこそ、助かったよ」
野宿を断行しようかどうかの瀬戸際だったのだ。
渡りに船とは、このことで、感謝こそすれそれ以外の何かはありえない。
「それに、晩ご飯まで、用意してもらって、ありがとう」
俺は、宿屋に併設している酒場に案内されていた。
アカリの父親である宿屋の主人が、サービスということで、野菜の炒めご飯と魚介のスープを、用意してくれたのだ。
炒めご飯の香辛料の香りが、俺の食欲をそそった。
「さあ、食べて食べて」
アカリは、そう言いながら、俺の前の椅子に、座っていた。
「見られていると、食べにくいな」
「いいじゃん。減るものでもないでしょう?」
アカリの言うことはもっともだが、こうしてガン見されると何だか落ち着かないのも事実だ。
俺は、炒めご飯を、一口食べて、
「……旨い!」
と、声を上げていた。
炒めご飯は、チャーハンに似ていて、香辛料の辛い余韻が後をひく感じの癖になりそうな少し濃いめの味つけで、野菜のシャキシャキ食感と米のふわっと感がたまらない。
スープも、ブイヤベースに似ていて、魚介の旨味がたっぷりとしみ出しているし、具だくさんで食べごたえ抜群だ。
アカリは、良かった、と、心底嬉しそうに、笑った。





