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4-62

 半分涙目になっているマーシャルを見て、俺は理解した。


 間違いない、もはや確信だ、笑われているようである。


「す、すみません」


 マーシャルは、本当に申し訳なさそうにしながらも、口元がぷるぷると緩んでいた。


 有り(てい)に言ってしまえば、笑いをこらえているのである。


「それ……伝説の聖剣(レプリカ)でしょう?」


 マーシャルの問いに、俺は、肩をすくめた。


 武器屋の親父とのエア剣戟(けんげき)と街の大通りでの少女とのラップに上乗せする形で、また伝説の聖剣(レプリカ)エクスカリパーのくだりに甘んじなければならないのだろうか。


(二度あることは三度あるとは言うが……)


 エクスカリパー、実は妙な呪いのかかった装備品ではないだろうか、そんな勘ぐりまでしてしまった。


「……それが何か?」


 俺は、嫌な予感を押し込めながら聞いた。


「定価10000ネカで売られているあれ、ですよね?」


(……ままよ!)


 俺は、正面突破をはかることにした、何事も思いきりが肝心である。


「……それが何か?」


 俺は、強気に聞き返した。


「その剣を装備しててどんな感じですか?」


「……別に」


 と、俺は、無愛想に返した。

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