275/4639
4-62
半分涙目になっているマーシャルを見て、俺は理解した。
間違いない、もはや確信だ、笑われているようである。
「す、すみません」
マーシャルは、本当に申し訳なさそうにしながらも、口元がぷるぷると緩んでいた。
有り体に言ってしまえば、笑いをこらえているのである。
「それ……伝説の聖剣でしょう?」
マーシャルの問いに、俺は、肩をすくめた。
武器屋の親父とのエア剣戟と街の大通りでの少女とのラップに上乗せする形で、また伝説の聖剣エクスカリパーのくだりに甘んじなければならないのだろうか。
(二度あることは三度あるとは言うが……)
エクスカリパー、実は妙な呪いのかかった装備品ではないだろうか、そんな勘ぐりまでしてしまった。
「……それが何か?」
俺は、嫌な予感を押し込めながら聞いた。
「定価10000ネカで売られているあれ、ですよね?」
(……ままよ!)
俺は、正面突破をはかることにした、何事も思いきりが肝心である。
「……それが何か?」
俺は、強気に聞き返した。
「その剣を装備しててどんな感じですか?」
「……別に」
と、俺は、無愛想に返した。





