274/4638
4-61
「ふーむ。なるほど。なるほどです」
マーシャルは、口元を隠しながら楽しそうに頷いていた。
俺は、マーシャルに装備している剣をまじまじと見られている恰好だ。
マーシャルに装備している剣をまじまじと見られている俺に、イフが真横から心配そうな眼差しをおくっている恰好でもある。
(……そりゃあ、気になるよな)
と、俺は、冷静に自分の装備品である剣を見た。
聖剣エクスカリパーである。
「なるほど、うんうん」
マーシャルの思わせぶりな頷きが、続いていた。
見れくれは、いかつい装飾がこれでもかと施されていて、オラオラ系やB系のテイストも入っている。
かの武器屋で絶賛販売中の定価10000ネカの聖剣のことである。
「……何でしょうか?」
俺は、マーシャルに聞いた。
「……ぷーく」
マーシャルは、言葉になっていない声を発していた。
(……え?)
俺は、完全に意表をつかれた形だ。
マーシャルの口元が、微妙にU字に緩んでいた。
今、笑われたのだろうか。
「他意はないんです、ごめんなさい……ぷーくす」





