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俺は、再び少し迷ってから大きく頷いて、
「わかった。それじゃ、エクスカ……」
「却下です」
再び即キャンである。
「おい、まだ言い終わってすらいないぞ」
「却下、です」
タイミングもばっちりすぎる。
格闘ゲームで言えば、フレーム猶予の少ない、小足小足キャンセル超必殺技ぐらいのキャンセルっぷりだ。
「わかった。イフが提案してくれ」
と、俺は、肩をすくめて言った。
「私が……ですか?」
イフは、面食らったような顔をした。
攻守が逆転したような塩梅だ。
「そうだ。残念ながら、俺の力量ではイフに誠意を見せられそうにない。君から提案してくれ」
と、俺は、イフに言った。
イフは、とまどったようにうつむいた。
待つこと数十秒である。
イフは顔をあげた、こころなしか、頬が少し赤かった。
「……それなら、ぽむぽむ……してください。それで許してあげます」
と、イフが、トレードマークの小さなサイドテールを揺らしながら言った。





