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4-46

 母親の一喝(いっかつ)が飛んでいた。


「わっ」「おおっ」


 女の子と俺は、びっくりしてたじろいだ。


「人様の迷惑になるようなことはしちゃいけませんって、いつも言っているでしょう! だいたいいつも……」


 怒りテンションである。


 母親は、俺に対しても声をあげていたことに気が付いて、


「……す、すみませんでした」


 と、申し訳なさそうに言った。


 母親は、俺にぺこりと素早く頭を下げて、女の子の腕をがっしりと掴んで、そそくさと歩みを早めた。


「お兄ちゃん、ばいばいーっ」


 女の子は、にこにことしながらぶんぶんと手を振った。


「ああ。ばいばい」


 と、俺も、女の子に合わせる感じで軽く手を振った。


 女の子と母親の二人組は、なかなかのインパクトを残しながら、俺とすれ違っていった。


 疾風怒涛(しっぷうどとう)の出来事である。


「……何だったんだ?」


 と、俺は、独り言ちた。


 俺は、剣にすっと触れた。


 さすが聖剣(レプリカ)エクスカリパー、さっそく(あるじ)である俺をそっとしておいてくれないようだ。


 気を取り直して、俺は、通りを歩いた。

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