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武器屋を後にした俺は、冒険者ギルドに向かっていた。
街の中心である大通りを突っきっていった。
日もたいぶ昇ってきたこともあるのだろう、人の往来も、武器屋を訪れる前よりも増えてきているように思えた。
(意外と慣れてしまうものだな)
と、俺は、剣の柄に触れながら思った。
俺が携えているのは、聖剣エクスカリパーである。
武器を持ち運ぶなど、はじめての経験であるから、重くないかとか歩きにくいのではないかとか、少し気になっていた。
(……ふむ)
俺は、心中頷いた。
心配は、杞憂だったようである。
あまり違和感がないのである。
剣の外見がオラオラ系かつB系で目立ちまくりであることには、このさい目をつむることにした。
ほほえましい母親と小さな女の子の二人組が、こちらに向かって歩いてきていた。
女の子は、五歳くらいだろうか。
「ねえねえ、ママ~」
あどけなさを残す女の子が、母親に聞いた。
「どうしたの?」
母親も、優しく聞き返した。
実にほんわりほんわかとするムードである。
気づくと、女の子は、すっと俺のことを指さしているようである。





