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4-25

「しかも、その赤、絵の具っ? 思いきりまぎらわしいわっ」


 と、俺は、言った。


 今の俺の周りには、漫画で言えば、俺を中心として集中線が描かれている勢いである。


 武器屋の親父は、悩み込むようなしぐさをしながら、


「圧倒的に売れるように、セレブ向けにペイントしたんだが……」


 と、言った。


「そのセンスが圧倒的っ……!」


 俺が叫んでいるのを見て、武器屋の親父も、そうかと言った。


 武器屋の親父は、またもや悩み込むようなしぐさをしながら、加えて自画自賛(じがじさん)の調子も交えながら、


「センスありすぎるのも困ったものだな」


「……いや、そうは言ってませんよ?」


 この勢いのあるポジティブシンキングは、見習いたいところだ。


 まあとにかくだと、武器屋の親父は、腕を組んだ。


「リリーカルナ商会からしてみれば、まっとうでないやりかたも容赦なくとるノーハン商会は気に入らないだろうし、ノーハン商会からしてみれば、リリーカルナ商会は拡大を(はば)む邪魔者という認識だろう」


 武器屋の親父の言に同意するように、俺も頷いた。


 ヴィセントのリリーカルナ商会とトライデントのノーハン商会は、商売敵(しょうばいがたき)という関係なのだろう。


「水面下での両方の商会の反目が続いていたわけだが……」


 と、武器屋の親父は、俺の目を見て、


「それが、ここにきて、長らく犬猿(けんえん)の仲だったリリーカルナ商会とノーハン商会が、手打ち……(さかづき)を交わすという噂がある」


 と、続けた。

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