4-23
人の話のこしを折るのはよくないことである。
しかし、俺には俺の事情があったのだ。
(流血案件にちがいない)
と、俺は、確信していた。
武器屋の親父の話は、きっと物騒なものだろう。
冒険者ギルドでの"六芒星測定"と時もそうなのだが、何を隠そう、この年になって何を言っているのかとからかわれてしまいそうだが、俺は血を見るのが得意ではない。
そういった話を聞くのも得意ではないのである。
何よりも血の色が大の苦手なのである。
「そうなのか? 話し合いの時には、鉄釘のこん棒とだな……」
俺は、さらにすすっと右手を上げた。
「オーケーです。なるほどです、そういうことですね、理解しました」
「何で棒読みなんだ、ぼうず?」
俺は、冷や汗をかきながら、納得づくだと強調するように腕組をしながらうんうんと頷いた。
「おーけー。なるほどね、そーゆーことね、理解したわー」
「何で砕けた調子になるんだ、ぼうず?」
「やだなー。そんなことないですよー」
「何で急にチャラい感じになるんだ?」
俺は、視界の片隅に、いかつい釘バットのような武器を見つけていた。
圧倒的な威圧感を放っている、釘バットもどきである。
(……うん。あれは、やばいな)





